中国卓球の歴史的3人の再会 木村レポートNo.2

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kimura3.jpg木村興冶
2003年1月13日

2002年12月8日の中国の新聞に次のような記事が、数枚の写真と共に大きく報道された。

了結"文革"恩怨 聯手再度出山(文革時からの怨念を終結させ、手を携え再出発)
中国兵壇空前大團円 (中国卓球界、空前の大団円)

記事の骨子は次の通りであった。

2002年11月30日、「荘則棟・邱鍾恵国際卓球倶楽部のオープン記念式典が行われ、当の荘・邱(1961年北京世界大会男女の世界チャンピオン) をはじめ、李富栄(荘と61,63,65年と世界単決勝で競い敗れた)国家体育総局副局長(次官級)、徐寅生中国卓球協会会長、60年代の著名な選手、 指導者、現世界チャンピオン王楠選手などが集まり倶楽部のスタートを祝った。そしてこれは、歴史的な出来事として、----以下、 上記新聞標題のような説明が述べられていた。日本の古くからの友人木村からの祝電が披露された、ともあった。

荘氏からは、昨年の8月の面談や数回の電話により、荘氏とその支援者による私的卓球倶楽部の計画を知らされていた。12月2日に荘氏より電話伝言があり、上記出席者の事実を知った時には、「本当に良かった」と思ったが、荘氏からの手紙に同封された新聞のコピー と数枚の写真を見て、改めて胸に ぐっと迫り来るものがあった。

ご既承の通り、中国では60年代中頃から70年代中盤まで、文化大革命、4人組の支配により、社会が大きな影響を受けた。世界をリードしていた卓球をはじめスポーツの世界でも、深く厳しい論争があった。 4人組逮捕と同時にスポーツ大臣であった荘氏も失脚し、徐寅生氏、李富栄氏が卓球組織、スポーツ界を指導するようになり、今日に至っていた。26年間、 3人での面談もなく。

2005年の上海での世界卓球選手権、2008年の北京オリンピックを控えて、中国卓球の歴史的3人が再会し、多くの古い仲間と現役選手の前で談笑 している写真は、「色々あった」歳月を超えた結び付きと、中国卓球の新しいスタートを感じさせるものであった。

以上

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